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[9] 建物に抵当権がついていた。その借地権は売れるの?
「銀行から融資を受けたいのですが、借地権に抵当権を設定できるでしょうか?」
こんな質問をされる借地人さんがいます。
土地に設定できればよいのですが、地主さんが承諾するはずはありません。抵当権を設定できるのは、借地上の建物だけになります。
現実の話として、土地を共同担保として担保提供できない借地権付き建物の担保評価は低くなります。
金融機関からの融資を返済し終わると、普通は抵当権を抹消します。ところが、金銭のやり取りがなくなってからも、抵当権を抹消していないケースもあります。
古い借地の案件では、時々抵当権がついたままの事案があります。ごくまれですが、抵当権を設定した金融機関がすでに存在しておらず、抵当権抹消に時間がかかってしまう場合があります。
いわゆる「休眠担保権」と言われるものです。様々なケースによって抹消方法は異なりますが、通常に比べるとかなり時間がかかることを覚悟しなければなりません。
借地権売買のときに、私たちは抵当権の有無を調べます。債務がないのに抵当権が残っていれば、抹消の手続きを取ります。その抵当権が原因で売却できなかった、解約されてしまったということがないように、地主さんに相談する前にまずはご自身の借地権付建物の権利関係を調べておくことが必要です。
○ 抵当権
担保の目的物を債務者に残したまま、債務不履行の場合には、債務者が優先してその目的物か。
■ POINT
建物に抵当権が設定されている場合は事前によく調べましょう。- [1] 「地代を上げたい」と言われた
- [2] 更新料を請求された
- [3] 地価が下がっているのに、固定資産税や地代が上がった。
- [4] 借地権の契約書がない
- [5] 使用賃借か賃貸借か?
- [6] 借地権を転貸しても良い?
- [7] 事業用に転用すると地代が上がる?
- [8] 古い遺産分割協議書しかない
- [9] 抵当権付き建物は売れる?
- [10] 更新料は必ずもらえる?
- [11] 借地人が勝手に建物を取り壊した
- [12] 地代を払わない借地人、請求しない地主
- [13] ひとつの借地に3人の借地権者
- [14] 2筆にまたがる1人の借地人
- [15] 借地長屋は売れるか
- [16] 認知症になった母の借地権
- [17] 9人の地主のうち、1人が認知症に